隣で話を聞いていた息子が夫を見つめ、「パパもおじいちゃんになったら、僕にそう言われても平気なの?」とぽつり。
さらに「じいじはパパのお父さんなんだから、もっと優しくしてあげないと」と続けます。義父は驚いたように目を潤ませ、小さく「ありがとう」と笑った姿が忘れられません。
夫が初めて気付いたこと
夫は何も言い返せず、帰りの車でも終始無言。そして「子どもにこんなことを言わせるなんて情けないな」と小さくつぶやいたのです。
数日後、自分から義父へ電話をかけて近況を尋ね、「今度一緒にご飯でも食べに行こう」と誘っていました。その姿を見て、私は夫の中で何かが変わったのだと感じました。
一番大人だったのは息子
それ以来、夫は義父の話を最後まで聞くようになり、実家へ顔を出す回数も増えました。以前のように冷たい態度を取ることはなくなり、親子の会話も少しずつ増えたように思います。私は今でも「あの日、一番大人だったのは息子だった」と感じています。
子どもの何気ない一言は、ときに大人同士では届かなかった気持ちをまっすぐ伝え、人と人との関係まで変えてしまう力があるのだと実感した出来事です。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2023年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:橘 りお
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。
