結婚を前提に始めた同棲生活
26歳の頃、私は結婚を前提に付き合っていた彼氏と同棲を始めました。新居は彼が探してくれたマンションで、家賃は月14万円。彼から「家賃は折半で、1人7万円ずつにしよう」と提案され、光熱費なども基本的には折半することになりました。
当時の私は、結婚に向けて二人で生活を築いていくことに期待しかありませんでした。ところが一緒に暮らし始めると、少しずつ『ズレ』を感じるようになっていったのです。
積み重なるお金と家事の不満
一番気になったのは食費でした。休日のまとめ買いは二人で行っていましたが、仕事の都合で私の方が早く帰宅することが多く、平日に足りなくなった食材や日用品は必然的に私が買い足すことになっていました。最初は気にしていなかったものの、細かな出費も積み重なれば大きな金額になります。
そこで私は、食費用の財布を作り、二人で同じ金額を入れて管理することを提案しました。しかし、彼はあっさりと拒否。「食費を切り詰めるのって、なんか心が貧しくなりそうだから嫌だ」そう言われてしまいました。結局、食費の管理は曖昧なまま。時々の外食も、なぜか私が支払うことがほとんどでした。
さらに、掃除や洗濯、食器洗いなどの家事も私が担当。彼がしてくれるのは、私がまとめたゴミをゴミ捨て場に持っていくくらい。それでも好きな相手だからと、ある程度のことには目をつぶっていました。ところがある日、これまでの不満を吹き飛ばすような衝撃の事実が発覚したのです。
一通の手紙で発覚した衝撃の事実
ある日仕事から帰宅すると、ポストにマンションに関するお知らせが届いていました。彼は仕事で帰りが遅くなる予定だったので、私は何気なく手紙を開封しました。すると、そこには驚きの内容が書かれていたのです。なんと、マンションの本来の家賃は月9万円。
しかもこのマンションは彼の会社指定。2万円家賃補助が出ていることは知っていました。補助が出ているのに、家賃はきっちり半分に割られていたことも少し不満に思っていましたが、まさか家賃が違うなんて……私は彼の帰宅を待ち、手紙を見せながら問い詰めました。
身勝手すぎる言い分
「これどういうこと? 家賃って9万円なの?」すると彼は、悪びれる様子もなく答えたのです。「この辺の家賃相場がそれくらいなんだから、別によくない?」「いや、本来9万円なのに、私が7万円も払うのはおかしいじゃん!」「でも、社宅のおかげで安く住めてるんだから、むしろ得してるだろ?」あまりにも身勝手な言い分に、私は驚いてしまいました。
「家賃だけじゃないよ! 光熱費も折半なのに、食費は平日に私が買い足してるし外食だってほとんど私が払ってるじゃん!」すると彼は、まるで自分が正しいとでも言うように反論し始めました。「休日に買い物した食費と光熱費は俺も半分出してるだろ!?」
……逆に言えば、彼が負担しているのはそれくらい。それなのに、家事はほとんど私任せで金銭面でも私の方が多く負担していたのです。これまでは「好きだから」と我慢できていたことも、お金の問題が絡むと話は別でした。この人と結婚したら、これから先もずっと自分ばかりが損をすると感じてしまうのではないか……
ずっと抱えてきた小さな『ズレ』が、大きくなってのしかかってきたのです。
結婚直前で別れを決意した結果
私は彼に「ごめん。あなたと結婚する自信がなくなった」と、はっきり告げました。そして、その日のうちに荷物をまとめ、彼のもとを離れることにしたのです。結婚を考えていた相手と別れることには不安もありました。しかしあのまま結婚していたら、お金のことだけでなく、家事や生活の負担についてもずっと悩み続ける事になっていたかもしれません。
……その後、私は友人の紹介で知り合った男性と結婚。夫は家事や育児にも積極的に協力してくれます。お金のことについても嫌な顔をせず、相談しながら負担を決めてくれる人です。そんな夫と暮らすようになって私は改めて、あのとき結婚を諦めて別れを選んだ自分の判断は間違っていなかったと、胸を撫で下ろすのでした。
【体験者:30代・接客業、回答時期:2023年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:タカダ ミオ
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

