これは、友人の真美さん(仮名)のエピソードです。たとえ最近使っていなくても、思い出が詰まった品は簡単に手放せないもの。ところがある日、真美さんが大切に保管していたバッグが突然なくなっていました。夫に尋ねてみると、思いもしなかった答えが返ってきたそうです。
クローゼットから消えた思い出のバッグ
私は夫と高校生の娘との3人暮らしです。夫には以前から、家にある物は自分の物でもある、というような感覚がありました。私や娘の物を「ちょっと借りただけ」と勝手に使うこともあり、そのたびに注意していたのですが、本人はあまり深刻に考えていない様子。
そんなある日、クローゼットの整理をしていると、奥にしまっていたはずのバッグが見当たりませんでした。「あれ、ここに置いていたはずなのに……」と周囲を探しても出てきません。そのバッグは、私が独身時代に初めてもらったボーナスで買った物でした。
当時の私には決して安い買い物ではなく、頑張って働いた自分へのご褒美として選んだ思い出の品です。最近は使っていませんでしたが、手放そうと思ったことは一度もありませんでした。
「ああ、あれ? 売ったよ」
その日の夜、帰宅した夫に「ここに置いてあったバッグ、知らない?」と聞いてみました。すると夫は、驚くほどあっさり「ああ、あれ? 売ったよ」と答えたのです。私は何を言われたのか理解できず、「え? 勝手に売ったの?」と聞き返しました。
ところが夫は悪びれる様子もなく、「ずっと使ってなかっただろ。邪魔だし、金になるならそのほうがいいじゃん」と当然のような顔をしています。それだけでも腹が立ったのに、さらに「結婚してから家計は俺の給料で回してるんだから、家の物をどうしようが俺の自由だろ」と言い出しました。
「これは結婚前に私が自分のお金で買った物だよ」と説明しても、「細かいこと気にするなよ」と笑って話を終わらせようとします。私にとって大切な物だったことより、自分の理屈を押し通そうとする夫の態度に、怒りを通り越してあきれてしまいました。
