「救急車を呼びましょう!」
「エピペンはお持ちですか?」と質問する店長。客は「えぴぺん?」とハテナ顔。子供たちも歌うのをやめ、大人たちの会話を不安げに聞いています。エピペンとは、重いアレルギー反応が出たときに使う注射のことです。
続けて店長が客の持参したお菓子を手に取り「これ、原材料に卵も乳も小麦粉も入っていますよ! 救急車を呼びましょうか?」と言うと、客は「別に反応出てないし!」と焦り出しました。
さらに店長が「ドリンクバーのコーンスープにも乳や小麦が入っています! 危険です! 救急車を呼びましょう!」とスマホを取り出すと、小学生の子供が泣きながら「ごめんなさい! 電話しないでください!」と謝罪。
すると親たちは「ばか! 余計なこと言うな!」とその子を大声で責めたのです。
未来ある子供たち
店長は今までの冷静な態度を一転。「子供に嘘までつかせて恥ずかしくないのか!」と叱責しました。
親たちは「だっる。帰ろ」と退室し、会計時には「二度と来ないわこんな店」と捨て台詞。店長は笑顔で「ありがとうございます!」と返しました。帰り際、親の後ろを歩く子供たちが店長に向かって泣きながら頭を下げていた姿が、目に焼き付いています。
私は、子供たちが親の嘘に巻き込まれてしまうことが何より悲しく感じました。親を反面教師に、どうか子供たちだけは、まっとうな道を歩んでほしい――そう願わずにはいられない出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。
