私の知人・山中さん(仮名)は、コンビニでパートをしています。夏のある日、常連の女性客がやってきて「ここのアイスはすぐ溶ける!」とクレーム。猛暑のため、持ち帰りのときに溶けやすいと説明しても、なかなか納得してもらえず……
思いがけないきっかけ
男性は「アイスはここに入れるから、そのままください」と、持参したクーラーボックスをカウンターへ置いたのです。それを見た同僚も、「あ、それいいですね〜!」と笑顔。「この時期だと、意外と家までもたないからね〜」と笑いながら話し、和やかな雰囲気のまま会計を済ませていました。
そのやり取りを見ていた女性。私は「あんなふうに保冷できるものがあると、この暑さでも安心かもしれませんね……」と、おそるおそる声をかけてみました。すると女性は、「ふーん……そういう方法もあるのね」と小さくつぶやき、それ以上は何も言いませんでした。
思わぬ助け舟に感謝
なかなか納得してもらえず困っていた私にとって、男性の何気ないひと言は大きな助けになりました。男性にそんなつもりはなかったのでしょうが、私は自然に対応することができ、ホッと胸をなで下ろしたのを覚えています。
接客の仕事では、ときには言葉だけでは伝わらないこともあります。あの日は、思いがけないお客さんの行動が、その場を収めるきっかけになった忘れられない出来事でした。
【体験者:40代・パート主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。
