私の知人・彩さん(仮名)が出産したとき、「早く孫に会いたい!」と義母が張り切って付き添ってくれたそうです。ところが、初産のため時間がかかってしまい、義母は「疲れた」を連発。命がけの出産のあとで、複雑な気持ちになっていた彩さんですが……?
助産師さんがサラッと
そんなとき、赤ちゃんや私の様子を見に助産師さんが病室へ来てくれました。義母は助産師さんにも、「本当に疲れました〜。長かったですよねぇ」と話しかけます。すると助産師さんは、にっこり笑いながらこう言いました。「ママさんより疲れている人は、この場にいませんよ〜」
病室は一瞬静まり返り、義母も「あっ……そうよね」と苦笑い。それ以上、「疲れた」と口にすることはありませんでした。そのひと言を聞いて、私は心の中で(言ってくれてありがとう……!)と思わずホッとしたのを覚えています。
忘れられない気遣い
出産は、家族みんなにとって大切な出来事です。でも一番大きな負担を乗り越えたのは、命がけで赤ちゃんを産んだ母親なのだと、助産師さんはさりげなく伝えてくれました。
私自身は何も言えずにいましたが、助産師さんが代わりに伝えてくれたおかげで、心のモヤモヤがすっと軽くなりました。あのときの優しさと気遣いは、今でも忘れられません。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。
