今回は、知人の優紀さん(仮名)から聞いた不思議な体験をご紹介します。長年一緒に暮らした愛猫を亡くして数年が経ったある日、猛烈な台風の夜に起きた出来事。本人も「偶然かもしれない」と話しますが……
台風の夜、いつもの帰り道で
15年間一緒に暮らした白黒猫のミアが亡くなってからも、私は毎日、玄関に飾った写真へ「行ってきます」「ただいま」と声を掛けていました。
そんなある夏の日、大型台風が接近していました。会社を出る頃には風雨が強くなり、最寄り駅へ着く頃には傘を差していても意味がないほどの暴風雨です。街灯まで消えている場所があり、周囲は真っ暗でした。
「早く帰らないと……」私は普段より少しでも早く帰ろうと、住宅街を抜ける近道へ向かいました。
聞こえた鳴き声
近道へ入ろうとした、その瞬間でした。「ニャー」風の音に混じって、はっきり猫の鳴き声が聞こえたのです。思わず足を止めて辺りを見回しましたが、猫の姿はありません。不思議に思いながら歩き出そうとすると、また同じ場所から鳴き声が聞こえました。
「あれ……?」その声を聞いた瞬間、なぜか胸がざわつきました。結局、私は近道をやめて、少し遠回りになる大通りから帰ることにしたのです。
