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これは友人から聞いた話です。友人の母親は「若年性認知症」と診断され、少しずつ記憶を失っていきました。介護が長くなるにつれ、友人も心に余裕をなくし、後悔する言葉を何度も口にしてしまったそうです。そんなある日、一冊の日記が見つかって……

診断の日、母が手に取った日記帳

「若年性認知症です」医師の言葉を聞いた私は、頭の中が真っ白になりました。帰り道も何を話したのか覚えていません。ただ、母は文房具店に立ち寄ると、一冊の日記帳を手に取りました。

「今日から日記を書くの。忘れちゃうから」それから母はスマホを冷蔵庫にしまったり、同じ話を何度も繰り返したりするようになりました。

昨日できていたことが今日はできない。その現実を受け止めるたび、私は少しずつ笑えなくなっていったのです。

「ごめんね」と謝る母に苦しくなった

介護生活は思っていた以上に長く、終わりの見えない毎日でした。何度説明しても忘れてしまう母に、「さっきも言ったでしょ!」「もういい加減にして!」と声を荒らげてしまうことも。

すると母は、申し訳なさそうにうつむいて、「ごめんね」と小さく笑うのです。母を傷つけたかったわけじゃない。優しくしたい人に、一番優しくできない自分がいました。

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