彼の要求
「ダメッ!」と慌てる私に、不審者は「すみません、新紙幣持っていますか?」と声をかけてきました。
「しんしへい?」と拍子抜けする私。話を聞くと、彼は数年間海外に住んでいて新紙幣を持っていないため、駐車代が払えず渋滞の原因になってしまったとのこと。見た目のせいで誰も窓を開けてくれず困っていたそうです。
私は旧紙幣と新紙幣を交換。彼は「助かりました。本当にありがとうございました」と深々とおじぎをし、続けて「これが僕のインスタアカウントです」とメモを渡して去っていきました。
まさかの正体
その後渋滞はすぐに解消。息子は「ね、困っている人は助けないとだめなんだよ」と誇らしげでした。
帰宅後にインスタを検索すると、フォロワー20万人近くの旅系インスタグラマー。浮浪者に見えた服装は、長旅を終えたばかりの姿だったのです。
人は見かけによらない。当たり前のことなのに、つい忘れてしまうものです。そんな大切な気づきを、息子の純粋な一言が私に思い出させてくれました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。
