まず覚えるのは謎ルール
転職した事務職の職場には、お局的存在・田中さん(仮名・50代女性)がいました。“職場独自ルール”を大量に作っており、新人はまずそれを覚えるところから始まる空気。
「給湯室のスポンジは縦向き」「冷蔵庫の飲み物はラベルを前向き」「コピー用紙は音を立てずに補充」など仕事と関係ないことばかり。間違えると「あ〜新人さんだから知らないかぁ」と嫌味っぽく注意されるため、みんなビクビクしていました。
“田中ルール”で空気が凍る
ある日、私は急ぎの電話対応中につい“田中さん専用のボールペン”を使ってしまいました。電話後すぐ謝ったものの、「勝手に人の者使う人、無理」と周囲に聞こえるように言われました。
さらに「職場には暗黙のルールがある」と説教スタート。他の社員たちも“田中ルール”にかなり疲弊していたらしく、「また始まった」という反応をする人も多くいました。
新課長のド正論
そんな中、新しく赴任してきた女性課長が、職場の空気に違和感を持ち始めます。そしてある日、「そのルールは会社として決まってるんですか?」と質問。田中さんはさすがに強く出られなかったのか、「いや、昔からみんなそうしてて……」と急にトーンダウン。
さらに課長は、「業務効率より個人ルールが優先されるのはおかしい」とハッキリ指摘。周囲も静かにうなずいていました。誰も言えなかったことを、真正面から言ってくれた瞬間でした。
変化した職場の空気
それ以降、“田中ルール”は少しずつ廃止され、職場の空気はかなり軽くなりました。新人が些細なことで萎縮することも減りました。
もちろん長く働いている人のやり方には意味がある場合もあります。ただ、声の大きい人のマイルールにみんなが合わせ続けるのは息苦しいものです。「ちゃんと線引きしてくれる上司がいるだけで、職場ってこんなに変わるんだ」と実感した出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2022年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:橘 りお
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

