「処理しとくね」に感じる違和感
私の夫には、少し気になる口癖がありました。それは、食事のあとにおかずが少し残ると「これ、処理しとくね」と言うこと。本人は「残さず食べるよ」という意味で言っているのだと分かっていましたが、どうしてもその言葉が引っかかる。
まるで、私が作った料理が“片付けるもの”や“ゴミ”のように扱われているように感じてしまい、言われるたびにモヤモヤが積み重なっていったのです。
ついに訪れた我慢の限界
ある日の夕食でも、やはり少しだけおかずが残ってしまいました。すると夫は、いつものように「これ処理しとくよー」と一言。その瞬間、積み重なったものが今にも溢れそうになり「今日こそは注意してやろう」と思いました。
しかし、私が口を開こうとしたそのとき、思いがけない人物が先に声を上げました。
娘の一言が場の空気を変えた
「てかさ、それ普通に失礼じゃない?」そう言ったのは、高校生の娘でした。続けて「ママが作ってくれた料理なのに“処理”って、ゴミみたいじゃん」と。ギャルを謳歌している娘。スマホを片手にはっきりと言い放ったのです。
夫は一瞬怯んで「イヤイヤ、そういうつもりで言ったんじゃなくて……」と言いかけるも、遮るように「そういうつもりじゃないならその言い方やめなよ」とピシャリ。
その流れで私も、「実は前々からその「処理」って言葉、ゴミ扱いみたいで嫌だなって思ってたの」と素直な気持ちを伝えることができました。すると夫は少し慌てた様子で、「ごめん」と謝ってくれたのです。
伝えることで変わる、家族の雰囲気
夫は悪気があって言っていたわけではなく、本当に何も考えずに使っていた言葉だったようです。だからこそ、これまで指摘できずにいた部分もありました。けれど、娘の一言がきっかけとなり、私の気持ちをちゃんと伝えることができたのです。
それ以降、夫は言葉を選ぶようになり、食事の時間の空気もどこか柔らかくなった気がします。家族だからこそ、使う言葉に思いやりは必要。さりげなく背中を押してくれた娘に、心から感謝しています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:タカダ ミオ
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

