「キャリア」の裏で置き去りにされたもの
夫は「家事育児は簡単」「基本は女性がやるもの」という考えの持ち主。食事や子どもの世話も最初から「俺には無理」と放棄気味。
そんな中、ある日突然「海外出張が多い部署に異動したい」と一方的に宣言します。理由はキャリアアップのため。家庭への影響はほとんど考えていない様子でした。
“ほぼワンオペ”の現実とすれ違い
異動前から夫は休日も自室にこもり英語の勉強に没頭。子どもが「遊んで」と声をかけても「うるさくしないで」と突き放します。そのまま希望通り異動し、1年の半分は不在という生活に。
私は仕事をしながら家事育児を一人で回す“ほぼワンオペ状態”に追い込まれました。それでも夫は「外で働いてるんだから、家を守るのは当然でしょ」と言い切り、こちらの負担は見えていないままでした。
SNSに映る“別世界”と第三者の一言
そんな中、夫が2週間のドイツ出張へ。私はいつも通りワンオペで乗り切る一方、夫はSNSに同僚との食事や観光を楽しむ様子を投稿。「意識の高い仲間と働いた後のビールは最高!」と満喫していました。
さらに「さすがに疲れたので帰国したら3日は寝ま~す」との投稿に、見かねた共通の友人がメッセージを送ります。「その生活はあいこちゃんが支えてるから成り立ってる。帰国したら寝かせてあげないと」と。
“気づき”は外からやってくることも
その言葉はさすがに響いたのか、夫はこれまでにないほど大量のお土産を買って帰って来て、なんと感謝を伝えてくれました。
さらに自ら子どもを公園に連れていくなど、少しずつ行動にも変化が見られるように。劇的な改善ではないものの、無関心だった夫が“家庭に関わる側”へと一歩踏み出した瞬間でした。
自分の中だけでは正当化してしまうことも、外からの一言で初めて気づくことがある。そんな現実を突きつけられた出来事だったのかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:橘 りお
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

