義母の“武勇伝”
義母は昔からクレーム気質で、「自分が正しい」と信じて疑わないタイプでした。第三者目線で見ると義母が謝ったほうが良い場面では? というような過去の出来事も武勇伝のように語ることもあり、正直そのたびに少し引いてしまうこともありました。
ある日、家族で集まりアルバムを見ていたとき、義母がふと思い出したように話し始めました。
語られた30年前の出来事
「昔、幼稚園にクレーム入れて先生辞めさせたことあるのよ」と誇らしげに語られたのは、約30年前の出来事。夫が5歳の頃、発表会の最中にステージ上でふざけていたところ、担任の先生がその場で注意したそうです。
しかし義母はそれが気に入らず、「みんなの前で注意するなんてひどい」と何度も幼稚園に抗議。その結果、先生はしばらくして辞めてしまったといいます。
固まる空気
話を聞く限り、当時の先生の対応はごく普通で、むしろ当然のものに思えました。それでも義母は「今思い出しても腹が立つわ」「親として当然のことをしただけ」とどこか誇らしげ。
先生と揉めたことを武勇伝のように語るなんて……とその場の空気はなんとも言えないものになりましたが、大人たちは特に反応せずに苦笑いをしていました。
気づかせてくれた子どもの一言
すると隣で話を聞いていた長女(当時5歳)が、「幼稚園の先生やめさせちゃったの? ばぁば、先生にいじわるしたの? 優しく言ったほうがいいよ」と一言。あまりにもまっすぐな言葉にその場は一瞬静まり返りましたが、心の中では大人たちも長女に大賛成。
突然飛んできた子どもからのド正論に義母もさすがに言葉に詰まり、それ以上は何も言いませんでした。クレーマーには、子どもの純粋な一言のほうが、どんな大人の説得よりもまっすぐに届くことがあるのかもしれないと感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Rio.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

