挨拶を打っても響かない先輩
小売関係の仕事をしています。職場には、たまに他店から応援に来てくれる平田先輩(仮名・40代男性)がいます。私は、先輩との関係にちょっとしたモヤモヤを抱えていました。
平田先輩は、挨拶の反応が薄い人です。出退勤時に「おはようございます」「お先に失礼します」と声をかけても、目線も向けず「……っす」とそっけない返事。無反応の時すらあり、先輩から挨拶をしてくれることも、ほぼありません。
悪いことはしていないのに、気まずい
最初のころは嫌われているのかと不安になりました。けれど挨拶への反応は、誰に対しても同じようなものでした。かといって他人に壁を作っているわけでもなさそうで、ほかの同僚と談笑している姿を見かけることも。
挨拶を交わすたびに塩反応の平田先輩。「挨拶が嫌なのかもしれない。やめてしまったほうがいいのか。でもそれはそれで、人として良くない気がする……」と、私は彼が店舗に来るたびに、こんな気持ちを堂々巡りさせていました。
相手に期待しない
このモヤモヤを晴らしてくれたのは、母でした。実家に帰った時に近況を聞かれ、ため息混じりに先輩の件を話したところ、こんな正論で諭してくれたのです。
「挨拶が返ってこないからって、相手と同じ土俵に立つことはないわよ。その人は挨拶のボールを受け取らない人。そう割り切ってアンタは投げ続けなさい」母の言葉は不思議とすんなり胸に入り込み、肩の力が抜けたような気持ちになりました。
割り切る気持ちも大切
もし、本当は嫌われていたとしても、そうじゃないとしても、仕事に支障がなければいい。相手の反応に期待せず、人としてきちんと挨拶し続けようと割り切ったら、先輩の態度は気にならなくなりました。
仕事をしていると、いろんな人に出会います。感覚の違いを理解し合うことは大事。そして時には割り切ることも必要なんだと、身をもって学んだ出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:S.Takechi
調剤薬局に10年以上勤務。また小売業での接客職も経験。それらを通じて、多くの人の喜怒哀楽に触れ、そのコラム執筆からライター活動をスタート。現在は、様々な市井の人にインタビューし、情報を収集。リアルな実体験をもとにしたコラムを執筆中。

