何気ない待ち時間にやってきた親子
買い物を終え、私はカートを押したままフードコート付近でトイレに行った夫を待っていました。すると、若いお母さんがカートを押して私の隣にやってきました。
カートには2〜3歳くらいの男の子が座っています。少し狭い隙間でしたが、軽く会釈をすると、そのお母さんは子どもをカートに残したままフードコートの列に並びに行きました。
「まぁ、すぐ近くだし、時々振り返って見れば大丈夫なのかな」そんなことを思いながら、私はご機嫌に歌っている男の子を横目で見ていました。
その瞬間、ヒヤリとした光景
しばらくして夫が戻ってきたので、私たちは出口へ向かうことにしました。若いお母さんはまだ列に並んでいましたが、男の子は泣くこともなく座っています。少し気にしつつも、その場を離れました。
しかし、数メートル進んだところで、ふと胸騒ぎがして振り返ると……男の子がカートから身を乗り出し、今にも落ちそうになっていたのです!
「危ない!」私は思わず駆け戻り、男の子をキャッチ。同じタイミングで若いお母さんも駆け寄ってきました。幸いケガはなく、心からホッとして「あ〜、良かったですね〜!」と思わず言いました。
まさかの逆ギレ発言
ところが次の瞬間、若いお母さんから飛び出した言葉は……「なんで見ていてくれなかったんですか!?」まさかそんなことを言われるとは思ってもいなかった私は、驚きのあまり思わず大きな声で、「え!? お母さんそういう感じの人!?」と咄嗟に言ってしまいました。
若いお母さんも、言い返されるとは想定していなかったのでしょう。豆鉄砲を食らったような顔で固まっています。私も彼女も、しばしフリーズ状態でした。
女性のひと言がスカッと決めた
そのとき、近くでカートを停めていた女性が歩み寄ってきました。「私、最初から見ていましたけど、あなたが子どもを置いて行っただけでしょう? 私も心配でチラチラ見ていましたけど、助けてもらっておいてその言い草はないんじゃない?」静かですが、はっきりとした口調でした。
若いお母さんはバツが悪そうに「結局なんも買えなかったし、最悪!」と言い、逃げるようにその場を去っていきました。しばらくポカーンとしてしまいましたが、私はその女性にお礼を伝え、夫とともにスーパーを後にしました。
まさか知らないうちに「子どもの見守り係」に任命されていたなんて……。あまりの理不尽さに驚いた出来事でした。
【体験者:30代・自営業、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

