いよいよ迎えた、全身麻酔の手術
ついに娘の手術の日。あらかじめ覚悟はしていたものの、やはり手術室へ向かう小さな背中を見るのはつらいものがありました。
2時間ほどして……手術は無事に成功。先生から説明を受け、麻酔から目が覚めたばかりの意識が朦朧とした娘が帰ってきました。
子供が全身麻酔の手術を受けたことがある友人から「子どもは麻酔から覚めた直後、混乱してギャン泣きすることがあるよ」と聞いていたので、ホッとしたのも束の間、「きっと術後も大変になるだろう」と身構えていました。
予想通りのギャン泣き大暴れ
案の定、娘はギャン泣きで大暴れ。点滴がついたままだったため、抜けないように押さえながら必死であやしました。少しでも落ち着いてくれればと、点滴スタンドを押しながら病院の廊下を行ったり来たり。
廊下には他にも入院中の子どもたちがいて、泣き叫ぶ娘を不思議そうに見ています。正直なところ、「早く落ち着いて……」と気まずさでいっぱいでした。
廊下に響いた、まさかの大絶叫
そんなとき、向こうから赤ちゃんを抱いたお母さんが歩いてきました。すると、暴れていた娘がその赤ちゃんを見て……「あがち゛ゃん゛んんんーーー!! ぎゃわ゛い゛い゛ぃぃぃーーー!!」と、全力の絶叫。
一瞬、聞き間違えたのかと思い「えっ!?」と聞き返すと、「あがち゛ゃん゛んがぁぁーーー!! ぎゃわ゛い゛い゛ぃぃぃーーー!!」と、もう一度。泣きながら、全力で「かわいい」と叫んでいたのです。
張り詰めた空気が、笑いに変わった瞬間
あまりに予想外の言葉に、私も赤ちゃんのお母さんも思わず大爆笑。手術への不安、麻酔明けの混乱、周囲への気遣い……。ずっと張り詰めていた気持ちが、その瞬間ふっと軽くなったのです。
そしてその後、娘は泣き疲れてお昼寝。目が覚める頃には、いつも通りの元気な娘に戻っていて、心からホッとたのでした。
【体験者:30代・販売員、回答時期:2021年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

