はじまりは“いい友達”
ゆみには、仲良くしてくれるママ友・まなみちゃん(仮名・30代女性)がいました。最初は、お互い初めての育児という環境も相まって気が合い、情報交換できるいい相手だと感じていました。
子どもの服やスタイ、おくるみといった育児グッズも、「それいいね! 参考にさせてもらうね!」と言ってくれたり、人懐こくてかわいらしい人だなという印象でした。
少しずつ積み重なる違和感
ところが、ある時期からまなみちゃんは子どものグッズだけでなく、ゆみ自身の服やアクセサリーと同じものまで持ち始めたのです。靴やカバンまでそっくりそのままマネされることが増え、「え、偶然ではないレベルだよね……?」と恐怖心が少しずつ大きくなっていきました。
最初は微笑ましかった“マネっこ”が、気づけば日常のあちこちに入り込んできたのです。
決定打になったひと言
極め付けは、まなみちゃんがゆみの家に遊びに来たときのことでした。夫がトイレに行ったタイミングで、彼女が突然「ねぇねぇ、ゆみちゃんの旦那さん、かっこいいよねー!」と発言。
普段なら褒め言葉として受け取れるはずなのに、ゆみの頭に浮かんだのは「ちょっと待って、旦那までマネする展開!?」という恐怖でした。その瞬間、背中がゾワッとしたといいます。
他人との距離感の大切さ
この一件以来、ゆみはまなみちゃんとの付き合い方を見直すことにしました。距離感を保たないと、気づいたら生活全体をコピーされる可能性すらあると感じたからです。
育児やオシャレの情報共有は便利だけれど、マネされる側の心理的負担は意外と大きいもの。ママ友には、善意の裏に独特のクセが潜んでいることもある――そう学んだのでした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

