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一見仲良し家族でも小さな不満は積もるもの。子どもが生まれてからも旦那さんの「独身気分」が抜けず悩むTちゃんもその1人。そんなある日、思いがけない人物のひと言がTちゃん家族の未来を大きく動かすことになり……。

独身気分のパパ、今日も不在!

私の夫は、子どもが生まれても生活スタイルがほとんど変わらず、休日は趣味のゴルフや友人との飲み会で家にほとんどいませんでした。その日も日曜日だというのに、私は退屈している8歳の娘を連れてワンオペお出かけ。ご飯を作り、お風呂に入れ、歯磨きをさせて……と、ワンオペで1日を終えようとしていました。

やっと一通り終えた時、夫がベロベロに酔って帰宅。しかも「今日は早めに切り上げてきたぞ〜」と自慢げ。さらに「腹減ったからなんか出してよ」と当たり前のように言い出して、私は心が折れそうになりました。

娘のひと言が空気を変える

そんな中、まだ起きていた娘がスッと立ち上がり静かに口を開きました。「Mちゃんはこの前パパに遊園地に連れて行ってもらったんだって。Cちゃんも家族でお買い物をして、みんなでご飯を食べたって。それなのに、パパはどうして家にいないの? どうして一人で出かけちゃうの?」

夫は酔っていたせいか最初は軽く受け流そうとし、「パパにも友達付き合いがあるんだから……」と言いかけました。しかしその言葉に娘は被せるように、さらに強く続けたのです。

「家のこととか私のこととか、全部ママに任せてさ……パパって、家族より友達のほうが大切なの?」その瞬間、空気がピタリと止まりました。

娘の想いに、母は涙

普段はパパのことを何も言わなかった娘が、こんなふうに考えていたなんて……。私は驚きと感動で思わず涙がこぼれました。夫も、酔いが一気に覚めたようにオロオロとし始め、「ご、ごめん……」と小さな声で謝って、そのままご飯も食べずにお風呂へ逃げるように向かっていきました。その背中を見ながら、私は娘のまっすぐな気持ちに胸がいっぱいになりました。

次の日から起きた小さな変化

翌日から、夫の様子が変わりました。洗い物をしようとしたり、ゴミ捨てに行こうとしたり、とにかく「やろう」とする姿勢が見え始めたのです。もちろん、洗い物はまだきれいにできていなかったり、ゴミを集めるのは私がやったりと完璧ではありません。

それでも、娘のひと言をきっかけに、自分の行動を見つめ直そうとしていることが伝わってきました。まだまだだけど、その変化が何より嬉しい出来事でした。

【体験者:30代・接客業、回答時期:2020年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

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