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祖父の家に遊びに行くたびに出会う近所の佐藤さん(仮名・60代女性)。彼女が毎回かけてくる“決まり文句”は、私にとってちょっとしたストレスのタネでした。子育ての苦労を決めつけるかのような言葉に、違和感を感じた実体験を紹介します。

祖父の家でのひととき

祖父の家に2人の娘を連れて遊びに行くのが、私たち家族のちょっとした楽しみです。娘たちにとってもひいおじいちゃんに会える嬉しい時間で、のんびりした空気の中で心が和みます。

ところが、そんな穏やかな時間にちょっとしたストレスのタネがひとつ。祖父の家の近所に住む佐藤さんに、よく出くわすことです。

「女の子育児はラク」発言のモヤモヤ

娘たちを連れて歩いていると、佐藤さんは毎回決まってこう言います。「女の子2人だと育てやすいでしょう? 女の子の育児なんてラクだわよね~。大変なことなんて何もないでしょ?」。そのたびに私は、心の中で「子育てに性別のラクさなんて関係ないし、心配も苦労もそれぞれある!」と反論。

まるで「男の子を育てた私のほうが大変だった」とでも言いたげなその口ぶりに、なんとも言えない違和感を覚えるのです。

性別で区切る“上から目線”の言葉

佐藤さんはさらに、「うちは男の子だったから本当に苦労したのよ」と、男の子育児と女の子育児を極端に比較して語ります。こうした言葉は、子育て中の親の心にじわりと刺さるものです。毎日、試行錯誤しながら必死に子どもと向き合っているのに「ラクでしょ」と言われると、努力や苦労を否定されたような気持ちになります。

聞いたところ、佐藤さんの息子さんはひとりっ子だそう。1人分の育児経験を基準に「女の子2人なんてラク」と決めつけられたのかと思うと苦笑いしてしまいます。「子どもが1人でも2人でも、男の子でも女の子でも、みんな大変でみんな頑張っている」——そんなふうに認め合えたら、もっと優しい会話ができるのにと思わずにはいられません。

揺らがない喜びと学び

子育て中のこうした“無自覚上から目線”は、経験者同士でも笑えない瞬間があります。それでも、祖父や娘たちが楽しそうに過ごす姿を見ていると、そんな言葉は気にせずに自分の大切なものと向き合おうと強く思います。

子育ては決してラクではないけれど、苦労の分だけ喜びも深い。そう感じられる日々こそが、私にとっての小さな幸せなのです。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2022年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

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