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3人の子を育てる友人・しおり(仮名・30代)の帝王切開での出産と、その後の夫の言葉にまつわるエピソードです。出産から半年後、立場が逆転したとき、夫は自分の言葉がどれほど彼女を傷つけていたのかに気づき、心から謝罪しました。

出産と覚悟

私は3人の子どもを育てるワーママで、気丈な性格です。第3子の出産は帝王切開で、3回目とはいえ「お腹を切る」という恐怖やリスクは大きく、それでも家族のためにと腹をくくりました。

無事に出産し退院してからは、傷の痛みと戦いながら3人の育児が始まりました。「まだ帝王切開の傷が痛くて起き上がるのも辛いから、できるだけ協力してほしい」と夫に素直に伝えました。

傷への無理解

しかし夫は私の傷を見ようともせず、「うわ……俺そういうの無理。想像するだけで気分悪くなる」と顔をしかめました。労いの言葉もなく、ただ嫌悪を示したその態度に、私は胸がぎゅっと締め付けられました。

「私だって好きでお腹を切ったわけじゃないのに……」その虚しさは、しばらく心に残りました。

夫の手術と気づき

その半年後、夫が虫垂炎で手術を受けることに。退院後の夫は「傷がズキズキ痛くて家事なんて無理」「体が痛くてトイレに行くのも辛い」と毎秒のように訴えました。その姿を見た私は、あの日の自分を思い出しながら、落ち着いた声で言いました。

「ねえ、私が帝王切開したときのこと、覚えてる?」その一言で夫はハッとし、「あのときは本当に無神経だった。ごめん」と初めて正面から謝罪しました。

夫婦が学んだこと

それ以来、相手の体調不良や疲労を感じた時には「大丈夫? 無理しないでね」とお互いに労いの言葉をかけ合えるようになりました。

夫婦関係には「相手の痛みや苦労に寄り添う想像力」が必要不可欠なのだと実感しています。経験を通してお互いの弱さを知れたことは、家族としての絆をより強くするきっかけとなりました。

【体験者:50代・主婦、回答時期:2025年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

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