仕事と育児、全力疾走の毎日
平日は朝から晩まで走り抜けるような日々。定時になると猛ダッシュでオフィスを出て、都内から電車で1時間以上かけて帰宅します。そこからは保育園のお迎え、夕飯づくり、食事、お風呂、宿題チェック。気づけば一日があっという間に終わっています。
仕事は楽しくてやりがいもあるけれど、子どもたちとの時間がほとんど取れないことを寂しくも感じ、彼女たちはどう感じているのだろう——そんな思いを胸に、毎日を過ごしていました。
幸せな“寝る前トーク”
一日の終わり、みんなでベッドに並んで入る時間がようやく訪れます。そこから始まる15分ほどの“寝る前トーク”が私にとって癒しの時間です。「ママあのね」「ママ今日ね」と、長女と次女が同時にマシンガントークを開始。内容は園での出来事やお友達の話。たわいない話ばかりだけど、心がふっと緩みます。
けれど、楽しさが長引くと眠気と疲れが押し寄せてきて、つい「おしゃべりはまた明日にして、そろそろ寝ようね」と切り上げてしまうのが、いつもの流れになっています。
4歳の“プレゼン”に完敗
ある夜、いつものように「そろそろ寝ようか」と言いかけた瞬間、次女がハッとした顔で言いました。「ママあのね! お願い! 3つだけ簡単に説明させてほしいの! まず1つ目はね」と、まるでデキる会社員のプレゼンのような話し方をしたので、私は思わず吹き出してしまいました。つられて長女も笑い出し、最後は3人で大笑い。その夜は次女の小さな作戦に完敗でした。
子どもたちの“もっと話したい”という気持ち
笑いながらも、「もっと話したい」「もっと聞いてほしい」という子どもたちの気持ちが伝わってきました。私にとってだけではなく、彼女たちにとってもママに自分の話を聞いてもらえる大事な時間なのかもしれない。それ以来、帰宅後はできるだけ目を見て話す時間を増やすようにしています。忙しさの中でも、家族でのおしゃべりタイムがいちばん心を温めてくれる時間です。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

