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今回は筆者の友達・Rちゃんから聞いた話をご紹介します。当時まだ入社1年目で、職場のベテランの先輩から仕事の進め方について嫌味を言われてしまうRちゃん。スピード重視の先輩の言葉に悔しい思いをする日が続き……。

悔しさをバネに

入社1年目のRちゃん。笑顔とあいさつは欠かさずお客様には誠実に対応しているつもりですが、作業スピードはまだ遅く、ミスもたまに出てしまいます。そんなRちゃんに、スピード重視タイプの先輩は「接客向いてないんじゃない?」「私ならもっと早くできる」と、わざと聞こえるように小言を浴びせていました。

先輩からの言葉に悔しさを感じつつも、Rちゃんは反論せず、「せめて自分にできることは全力で」と前向きに努力を続けました。ミスをした部分は必ずメモに残し、閉店後には自主練習。スピードでは負けても、丁寧さや誠実さなら負けない……そう信じて、少しずつ自分の接客スタイルを磨いていきました。

店舗でのサプライズ発表

ある日、本部で行われる特別接客研修の参加者を店舗から1名だけ選ぶことに。研修の参加者は、店舗内で高く評価されているメンバーが選ばれるのが通例です。店内では「誰が行くんだろう?」と話題になっている一方、例の先輩は自分が選ばれると信じて疑わない様子でした。

しかし、店長が発表したのは意外な名前。

「お客様アンケートで名前が一番多く出た」という理由で、Rちゃんが選ばれたのです!

店長の言葉が響く瞬間

驚きと戸惑いを隠せない先輩は、「新人に負けたくないな〜」と冗談めかして言っていましたが、その声色には少し焦りが混じっていました。

すると店長が、「この子は接客をスピードじゃなく信頼で選んでるから」とはっきり言い切ったのです。Rちゃんは、自分のやり方がちゃんと評価されていたことに胸が熱くなり、思わず涙がこぼれそうになりました。

変化と自信の芽生え

研修参加が決まった日を境に、先輩も露骨な嫌味を言わなくなり、職場の雰囲気も少し柔らかくなりました。

なにより、Rちゃん自身が「丁寧さや信頼を大切にしていいんだ」と自信を持てるようになったのです。スピードではまだ先輩に及ばないけれど、信頼を築く接客なら誰にも負けない……そう確信できた瞬間でした。

【体験者:20代・販売員、回答時期:2011年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

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