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私がホームセンターに勤めていた時のお話です。お客さんから「商品の部品が不足している!」という連絡がありました。「今すぐ届けに来い!」と怒鳴られることを覚悟する私でしたが、思ってもみなかった展開が……。

プライベートブランド

私が働いていたホームセンターは全国展開をしていて、日用品の他にインテリアや資材はもちろん、園芸用品なども扱っていました。

それぞれの売り場ではメーカー品だけでなく、プライベートブランドの商品も充実しています。そして、毎月のように新商品が発売されるプライベートブランドは、自社の国内工場で製造をしていて、時には不良品が出てしまうことも……。

部品不足の電話

ある日、プライベートブランドの収納棚を購入したお客さんから1本の電話が入りました。

「今日買った商品の部品がひとつ不足していて、その部品がないと組み立てができないです」

淡々と言うお客さん。私はすぐに謝罪をし、該当商品と足りないパーツの確認を行い、お客さんのご自宅まで届ける提案をしました。
そこで、この商品で同じような問い合わせが最近あったことを思い出したのです。

その時のお客さんに「届けに来て謝罪するのが当たり前だろ! 今すぐ届けに来いよ!」と、電話越しに怒られた記憶が鮮明に蘇ります。不足分をお届けした時も、お客さんのご自宅の玄関で1時間以上怒鳴り続けられたのでした。

思わぬお客さんの反応

そんな苦いやり取りを思い出した私は、今回のお客さんにも怒鳴られるかもと身構えます。
しかし、お客さんからは驚きの返答が。

「店員さんも開封したわけではないし、不足していたかなんてわからないですよね! あまり気にしないでください。店舗の近くに行く予定があるので、今日取りに行きますよ!」

優しく寄り添ってくれたお客さんにしっかりと謝罪をし、「この商品は部品が不足している物が他にも販売されているかもしれない」と本部に連絡をしました。
すると、その日のうちに本部から全店に「至急該当商品の確認、不良品は撤去」の指示が出され、再発防止に繋げることができたのです。

情報共有

過去の経験からすっかり悲観的になってしまっていましたが、しっかりと誠意を示すことで、相手も理解してくれると感じられた出来事でした。

また、商品を製造・販売している以上、不良品が出てしまう可能性はあります。そんなときは素早く情報を連携すれば、悲しい思いをするお客さんを減らすことができると学ぶ機会にもなりました。

【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2021年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐野陽菜里
大学卒業後、企業で管理職として活躍するも、妊娠出産を機に退職。育児しつつ、「自分の言葉で文章を書いて、発信したい」とライターに転身。接客業や恋愛のテーマを得意とし、日々インタビューをして情報を収集。

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