~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~
妊娠初期の予想外の体調の変化に戸惑いながら、それでも職場に迷惑をかけまいと働き続けた日々。そんな中で感じた周囲とのやり取りや葛藤とは? 誰かの心に寄り添うきっかけになればと思い、私が体験したリアルなエピソードをご紹介します。

妊娠中のつらさは人それぞれ

私が某ショッピングセンターで働いていた頃の話です。

その時、私は妊娠初期で、日々体調の変化と向き合いながら仕事をしていました。同じ職場にはもう一人、妊婦のNさんがいて、彼女は産休を目前に控えているところ。Nさんはつわりもなく元気に働いていましたが、私の場合はつわりがあって、日を追うごとに体調が悪くなっていきました。

悪化する体調と気が滅入る日々

私の場合は食べづわりというタイプで、空腹になると気持ち悪さが増すため、許可を得て裏でチョコをつまんだり、水分をとったりして何とかやり過ごしていました。しかし、つわりは日に日に悪化。お腹が張ることも増え、立っているのもつらい状況に。

出勤できても休み休みになったり、欠勤せざるを得なくなったりして、職場には迷惑をかけていました。みんなに申し訳ない気持ちでいっぱいになり、つわりや体調不良が重なる中、心もどんどん追い詰められていきました。

店長の一言で崩れていく気持ち

ある日、私は店長に「いつも迷惑をかけてしまってすみません……」と謝りました。すると、店長はこう言ったのです。

「Nさんは大丈夫なのにね」

Nさんはつわりもなく、お腹の張りもない、比較的元気な妊婦さんだったので、産休に入るまで体調不良を訴えたことがなかったそうです。店長もその様子を見てきたので、Nさんと私とで症状が違うことを純粋に不思議に感じたのでしょう。

店長に悪意があったとは思いません。おそらく、妊婦によって症状の差があることを知らなかったのでしょう。でも、この一言が私の中で大きく響きました。その日の帰り道、店長の言葉が頭をぐるぐる巡り、電車の中で隠れて泣いてしまいました。

理解してもらえたら嬉しいこと

もちろん、迷惑をかけてしまっている私にも責任があることは分かっています。それでも、妊娠中の体調が人によって大きく異なることは、もっと多くの人に知ってほしいと思いました。

私と同じような思いをした人もきっといるはずです。この話を読んで、妊娠中の症状が人それぞれであることを、少しでも多くの人に理解してもらえたら嬉しいです。

【体験者:20代・販売員、回答時期:2012年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Mio.T
ファッション専攻の後、アパレル接客の道へ。接客指導やメンターも行っていたアパレル時代の経験を、今度は同じように悩む誰かに届けたいとライターに転身。現在は育児と仕事を両立しながら、長年ファッション業界にいた自身のストーリーや、同年代の同業者、仕事と家庭の両立に頑張るママにインタビューしたエピソードを執筆する。

This article is a sponsored article by
''.