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販売の仕事をしていると、避けて通れないのが返品対応。中には、理不尽な理由で返金を求めてくるお客さんも。今回は、私がホームセンターに勤務していた時に遭遇した女性客のエピソードです。激怒したお客さんは後日またやって来て……?

化粧品も販売

私がホームセンターに勤務していた頃の話です。ホームセンターには化粧品の売り場があり、ファンデーションや口紅、アイライナーなど、幅広いアイテムを取り扱っていました。

「そんなゴミ捨てて!」と怒鳴るお客さん

ある日、女性のお客さんがサービスカウンターに訪れました。その方は、「このアイライナー、戻らなくて使い物にならないから返金してちょうだい!」と怒鳴り、商品を投げつけてきました。どうやら、購入したのはペンシルタイプのアイライナー。

しかし、商品の裏面には「一度回し出すと戻りませんのでご注意ください」としっかり明記されていました。お客さんに説明をしても、「それで? 返金してくれるのよね?」と返金の要求が続きます。「返金はいたしかねます」と答えると、「じゃあそんなゴミいらないから捨てて!」と怒鳴り、その場から去っていきました。あまりの大声に、私も周囲のお客さんも驚き、固まってしまったほどです。

廃棄を要求したのにも関わらず!?

数日後、そのお客さんがサービスカウンターに再びやって来ました。「前回の従業員を呼んで」と言われ、私が対応することに。内心、「今度は何を言われるのだろう」とドキドキでした。

要件を聞くと、恥ずかしそうにうつむくお客さん。「前に渡したアイライナーを娘が『使いたい』と言い出したから返してほしいです」と小さな声。
私は、新たなクレームでなかったことにほっと胸を撫で下ろしました。

「通常ですと、お客様に廃棄をお願いされた商品は廃棄しております。今後はご注意下さい」とお伝えした上で、保管していたアイライナーを渡しました。お客さんは気まずそうに「はい」と呟いて、商品を受け取ってすぐ逃げるように帰っていきました。

クレーム防止

当店では、後から「やっぱり返してほしい」という方もいるので、お客さんに「捨てて」と言われた品物も数日間保管を行うルールになっています。今回も、実際に捨てていたら新たなトラブルにつながっていたかもしれません。
過去の経験を活かした店舗のルールに感謝するとともに、「取っておいて本当によかった……!」と、思わず力が抜けた出来事でした。

【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2021年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐野陽菜里
大学卒業後、企業で管理職として活躍するも、妊娠出産を機に退職。育児しつつ、「自分の言葉で文章を書いて、発信したい」とライターに転身。接客業や恋愛のテーマを得意とし、日々インタビューをして情報を収集。

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