大好きな祖父が他界
私の祖父は、私がかおるを出産する2ヶ月前に90歳で他界しました。祖父は物静かなタイプでしたが、いつでも誰にでも優しく笑顔を絶やさず、そんな祖父が家族みんな大好きでした。孫の私をとても可愛がってくれていた祖父は、ひ孫のかおるに会えることもとても楽しみにしていました。
生前祖父が渡してくれた手紙
亡くなる直前、自分の死期を悟っていたのか、最後に会った時に私にくれた手紙には「赤ちゃんに会いたかったけど、どうやら待っていられそうにないよ。でも頑張って元気な子を産むんだよ。無事に産まれたら会いにきてよ。ずっと楽しみにしているよ」と書いてありました。ひいおじいちゃんになる日を楽しみにしていてくれたんだなと私はそこで祖父の思いを知り、もう少し早ければ……と悔やむ気持ちもありました。
祖父を偲ぶひととき
その後、無事に娘を出産し、お墓に報告に行きました。きっと喜んでくれたことと思います。また、毎年お盆や年末には家族でお墓参りに行っています。昨年、そんな祖父の七回忌があり、多くの親戚が集まり1日バタバタと過ごしました。その日の夜、近しい家族だけでひと息つきながら祖父の思い出話をしていたときのことです。
かおると祖父の不思議な交流
6歳のかおるが「今日はひいおじいちゃんに会えて嬉しかった!」と目を輝かせて言いました。大人たちが「ひいおじいちゃん?おじいちゃんじゃなくて?」と聞き返すと、かおるは「仏壇のお写真と同じ顔だったからひいおじいちゃんだよ。玄関に座って、ニコニコしながらみんなを見てた」と答えました。「え……?かおるは話しかけてみた?」とさらに聞くと、娘は「『こんにちは』って言ったよ。あと、『みんなのところに行かないの?』って聞いたら、『ここでみんなが楽しそうにしているのを見ていたいんだよ』って。それに、『かおるに会えてとても嬉しい』って言ってくれたんだよ。とっても優しかったよ」と笑顔で話してくれました。あまり不思議な現象を信じない私ですが、祖父と娘が温かい交流ができたのであれば、おじいちゃん孝行できてよかったなと感じました。
【体験者:6歳・女児、回答時期:2024年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。