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これは大学時代に私がアルバイトをしていたカフェでの出来事です。4年間一緒にバイトをした友人A(当時20歳・女性)。彼女が巻き込まれた、常連客との思わぬ騒動と、それを救った心強い仲間のエピソードです。

雰囲気の良いカフェで常連さんとは顔見知りに

大きな駅の駅前にあるそのチェーン店のカフェは、朝6時半の開店から閉店まで常に賑やかです。サラリーマンや学生、おばさまグループなど常連のお客様も多くいました。曜日ごとに決まったメニューを注文する人や、仕事前に必ず立ち寄る人など、顔なじみのお客様も少なくありません。私も友人Aも大学4年間ずっと働いていたため、そうした常連の方々に覚えていただき、自然と挨拶を交わしたり、軽い世間話を楽しむような関係が築かれていきました。

慣れ親しんだお客さんのはずが、雲行きが怪しく……

楽しく和気あいあいとした雰囲気のお店でしたが、ある時期から、友人Aは常連のサラリーマンにしつこく連絡先を聞かれるようになりました。その人は40代ほどで背が高く、スーツをきっちり着こなした一見爽やかな“仕事ができそうなタイプ”。最初は冗談めかして受け流していたAでしたが、やがてカフェ内のトイレで待ち伏せされたり、「シフトが終わるまで待っているね」と声をかけられるなど行動はエスカレートし、悩むようになっていきました。

常連の来店に張りつめる店内

ある日またそのサラリーマンが来店し、アイスコーヒーを頼むと同時に、友人Aへ「今日は何時までバイト?終わるまで待ってるよ」と声をかけました。店員の間で彼の存在はすでに共有されており、店内の空気は一気に張りつめます。返事に困った表情を浮かべるAを前に、私たちもついに止めに入るべきかと迷ったその時――。

救世主現る!

その瞬間、後ろからパートの主婦さんが登場。「あら〇〇さん、いらっしゃいませ!私今日19時上がりよー!待っててくれるの?」と陽気な声で割って入ってくれたのです。店内の空気も私たちの緊張感も一気に緩みました。突然のひと言にサラリーマンはたじろぎ、周囲の視線もあってかそのまま退店。パートさんは「また声かけられたら私に言ってね!」と力強く声をかけてくれる心強い存在でした。やがて彼の来店は減り、カフェには再び平和な日常が戻りました。あのときの彼女の機転と優しさがなければ、きっと心細く、怯えたまま働き続けていたと思います。今でも思い出すたびに、仲間のありがたさや守ってもらえた嬉しさをしみじみ感じ、あの一言には本当に救われたなあと感謝の気持ちでいっぱいです。

【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2024年1月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:Ryoko.K
大学卒業後、保険会社で営業関係に勤務。その後は、エンタメ業界での就業を経て現在はライターとして活動。保険業界で多くの人と出会った経験、エンタメ業界で触れたユニークな経験などを起点に、現在も当時の人脈からの取材を行いながら職場での人間関係をテーマにコラムを執筆中。

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