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これは、筆者がホームセンターで勤務していた時の出来事です。売り場責任者の今野さん(仮名)は、自分よりも社歴が浅い小山さん(仮名)という社員のことをよく馬鹿にしていました。そんなある日、今野さんが異動で副店長に昇進する、という噂が流れたのです。

新任の上司

私は新入社員として入社した半年後、転勤が決まりました。
転勤先の店舗は県内で売り上げ1位を獲得しているところで、私はインテリアの売り場担当に決まり、直属の上司はその年に初めて売り場責任者になったという、小山さんでした。

嫌味を言う責任者

同じ店舗の園芸売り場には、今野さんという責任者がいました。小山さんと年齢は変わりませんが、自らの社歴の長さを鼻にかけ、よく小山さんを馬鹿にしていたのです。

ある日私は小山さんから指示を受け、新しい売り場作成の準備をしていたのですが、そこに突然今野さんがやって来てこう言いました。

「小山は社歴が浅くて仕事ができないから、君も大変だろう! 俺みたいなベテランが上司だったら、もっと楽に仕事ができたのにな!」

私は今野さんのその自信満々な口ぶりに、苦笑いすることしかできませんでした。
何を隠そう、小山さんは優しくて仕事がよくできる優秀な社員として評判の高い社員だったからです。
しかし私のその反応を無視して、今野さんは小山さんの悪口を言い続けます。

「そろそろやんわり止めたほうがいいかな......」
そう思っていた矢先、小山さんがひょっこりとその場に顔を出して私にこう言いました。

「あ、お疲れ様です。作業の調子どうですか? 俺、今代わりに入れるから、どうぞお昼食べて来てください」

すると今野さんは得意げに、大声でこう言い放ったのです。

「お前、馬鹿だろう! 今売り場担当者が休憩に入ったら、定時までに終わらないだろ! そもそもお前は頼りにならないのに、よく責任者になれたよな(笑)」

それを聞いた小山さんは、笑顔のまま言い返すことはありませんでした。

昇進で異動!?

その数日後、“今野さんが店舗を異動する”という話が従業員の間で飛び交いました。
周囲は異例の時期の辞令に驚き、まさか栄転なのでは、という噂まで流れたのです。

しかし次の日の全体朝礼で、「今野さんは『売り場担当者』として、他店舗に異動になります」と店長から皆に話がされ、降格のための異動という事実が発覚したのでした。

周りは見ている

その後、今野さんが異動となったきっかけを聞いた私は、驚きました。
今野さんの小山さんに対するパワハラや高圧的な態度を頻繁に目撃していたある従業員数名が、その証拠を集めて本部に報告したというのです。

本人達いわく、どんなに忙しい場面でも優しく頼りがいのある小山さんを尊敬し、慕っての行動だったそう。
小山さん自身は最後までそのことについては口をつぐんでいましたが、今野さん異動後も熱心な仕事ぶりと周囲からの厚い信頼は変わらず、翌年には副店長に昇進となりました。

本人が気付かぬところで、周りは日頃の振る舞いをしっかりと見ているものです。
このことから、同じ立場同士であっても、人を大切にできる人が最終的に評価されるのだと学びました。

【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2019年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐野陽菜里
大学卒業後、企業で管理職として活躍するも、妊娠出産を機に退職。育児しつつ、「自分の言葉で文章を書いて、発信したい」とライターに転身。接客業や恋愛のテーマを得意とし、日々インタビューをして情報を収集。

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