生命を胎内で育むのは大袈裟でなく命がけのこと。そしてつわりの辛さは人それぞれで、中には入院を余儀なくされる人もいるほど。男性が完全につわりを理解することは難しいかもしれません。しかし理解はできなくとも、寄り添うことはできるはずなのですが……今回は、私のお客様の実体験をご紹介します。
辛く重いつわり
私は妊娠中、つわりがとても辛く、会社を休んで家でひたすら寝ているだけの日々。そんな私を見て夫は「辛いと思うけど、ずっと寝てると逆に具合悪くなるから少しは動きな」と言い、家事を強要してきました。
さらに「洗濯は2日に一度、掃除は3日に一度、料理は夕ご飯くらい毎日作って欲しい」と具体的に指示。私が「立っていられない」と告げても、「病気じゃないし、子どもがいる人がみんなそうやってたら社会が回らないでしょ」と寝ることを許してくれませんでした。
旅先でのできごと
辛く長いつわりを乗り越え、私は無事に出産。その後しばらくして家族三人で海外旅行へ出かけた時のこと。
観光を楽しみ、夕食の時間。英語が話せない夫が、話せるふりをしてメニューをオーダーしました。お酒が全く飲めない夫が、理解もせずににイエス、とアルコールを注文。さらに無理して飲み干したのです。
すると店員に「お代わりは?」と聞かれ、英語が分からない夫はまたも「イエス」と答えてしまい、二杯目、三杯目が次々と運ばれてきました。
同じ言葉
翌日、人生初の二日酔いで身動きもできず、吐き気を訴える夫。そんな夫に私は「つわりって二日酔いの1000倍くらい辛いんだよ。つわりを経験できてよかったね」と告げました。
そして「おむつ変えて、お風呂入れてくれる?」と頼むと、夫は「立っていられない」と返答。私はすかさず「病気じゃないし、お酒飲んだ人がみんなそうやってたら社会が回らないでしょ」と、かつて夫に言われた言葉をそのまま返したのでした。
結局その日は夫がホテルで寝込み、私は息子と二人で観光を満喫しました。
二度目のつわり
その後、私が第二子を妊娠した際もつわりは辛かったのですが、夫は一人目の時のように嫌味を言うことはありませんでした。家事も全てとまでは言わないまでも、少し分担してくれたのです。
男性が生理痛やつわり、陣痛などを完全に理解することは難しいかもしれません。けれども、歩み寄ることはできるはずです。あの旅行での二日酔い体験は、彼にとって大きな学びになったことでしょう。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。