泣いてばかりの息子に奮闘
私にとって初めての育児は、毎日が試行錯誤の連続です。息子はとにかくよく泣くタイプで、授乳やおむつ替えを済ませてもなかなか泣き止まず、何時間も抱っこして過ごすことも珍しくありません。
夫が帰宅すれば少しは休めるかと思いきや、抱っこしても息子が泣き出すとすぐに「やっぱりママがいいんだな〜」と私にパス。(私だってどうしたらいいか分からないのに……)と、そんな日々にモヤモヤしていました。
お風呂でひと息、と思ったら……
ある日、息子が朝からずっとぐずっていたときのこと。私は家事もろくに進められないまま、夕方にはすっかりヘトヘトになっていました。帰宅した夫が夕食とお風呂を済ませたところで、「私がお風呂に入ってる間、お願いね」と息子を任せることに。
湯船に浸かり、ようやくホッとできるかと思っていたのですが……突然ガラッと浴室のドアが開き、夫が「ねぇ、泣き止まないよ〜」と声をかけてきたのです。
ついに我慢の限界に
その瞬間、私はもう黙っていられませんでした。「私だって、泣き止まないって悩みながら一日中過ごしてるよ!?」「ママならすぐ泣き止ませられると思ってるの? こっちだって毎日あれこれ試してるんだよ!」
これまで溜まっていた気持ちを、我慢することなく夫にぶつけました。そして「あなたはゆっくりご飯も食べて、お風呂にも入れたよね? 私がお風呂に入ってる間くらい、パパも頑張ってみてよ!」と訴えたのです。
妻の言葉を聞いた夫は
「……ごめん。ママのほうが落ち着くんだと思って」と、申し訳なさそうに謝る夫。私は「泣き止ませ方が分からないときくらい、私もあるよ」と改めて伝えます。夫は「もう少し俺も頑張ってみる」と答え、息子を抱いてリビングへ戻っていきました。
それからは、夫がすぐに私を頼ってくることもなくなり、少しずつ自分の時間を持てるようになったのです。
母親だからといって、必ずしも簡単に子どもを泣き止ませられるわけではありません。初めての育児で分からないことが多いのは、パパもママも同じ。夫にも試行錯誤しながら息子と向き合ってほしいという気持ちが、ようやく伝わった出来事でした。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

