私が気にしていたこと
出産後、私は思うように母乳が出ないことに悩んでいました。ずっと母乳とミルクを併用していたのですが、(できればもう少し母乳が出てくれたらなぁ……)と思うことも。わが子に授乳するたびに、少し落ち込んでしまうことがありました。
そんななか、自宅に保健師さんが訪問してくれる機会がありました。せっかくなので、私は授乳について相談してみることにしたのです。
相談していると夫が……
私は保健師さんに、「母乳がなかなか増えなくて……ミルクも使ってるんですけど、ちょっと気になっちゃって」と打ち明けました。すると、そばで話を聞いていた夫が「あ、そうなんですよ〜。ミルクって結構高いから、そこも気になるんですよね」と口を挟んできたのです。
夫に悪気はなかったのかもしれません。しかし、私自身が悩んでいることを、まるでお金の問題として指摘されたようで……(私だって、好きで母乳が出ないわけじゃないのに)と、傷ついてしまいました。
夫の発言を聞いた保健師さんは
すると、保健師さんは夫に向かって「確かにミルク代はかかりますね……」と同意しました。しかし、続けて「でも、ママが母乳のことで悩んでいるときに、お金の話までされたら余計につらくなっちゃいますよ」と、きっぱり伝えてくれたのです。
さらに「赤ちゃんがお腹いっぱい飲めて、元気に育つことが一番大事です。今はまず、ママが安心して授乳できるように支えてあげてくださいね!」と話すと、夫は何も言い返せずにいました。
保健師さんの言葉のおかげで
夫は「……そうですよね。すみません」と、気まずそうに謝りました。そして保健師さんは、私にも「母乳だけで頑張ろうとしなくて大丈夫ですよ」と優しく声をかけてくれたのです。その言葉を聞いて、私はようやくホッとしました。
それ以降、夫はミルク代について口にすることはなくなり、授乳の準備や片づけも積極的に手伝ってくれるようになりました。
家計への負担を気にする気持ちもわかりますが、母乳は努力だけでどうにかできるものではありません。保健師さんがはっきり伝えてくれたことで、夫も一緒に育児を支えることの大切さに気づいてくれたのだと思います。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

