これは、知人の宮原さん(仮名)から聞いた話です。宮原さんは夫から「行きつけの店に連れていくよ」と誘われ、おすすめの居酒屋へ出かけることに。夫は「ここは俺の庭みたいなもん」「大将とはツーカーの仲」と得意げに話していたのですが、いざ店に入ると、思いもしない言葉をかけられたのです。

夫の行きつけ

ある週末、夫から「行きつけの店に連れていくよ」と誘われ、おすすめだという居酒屋へ2人で出かけることになりました。

店までの道中も、夫は「ここは俺の庭みたいなもん」「大将とはツーカーの仲」と言いながら、得意げな様子で店のことを話します。どんなお店なんだろうと、私もとても楽しみにしていたのですが……

店員の思わぬ一言

店に入ると、出迎えてくれた若い店員から「ご予約のお名前は?」と聞かれ、夫は少し戸惑った様子を見せます。夫の話では、すっかり顔なじみの店だったはずです。

不思議に思い、私が小声で「あれ? 行きつけじゃなかったの?」と聞くと、夫は「おかしいなぁ、バイト変わったかなぁ」と目を逸らします。私は首をかしげながらも席についたのです。

大将の第一声

しかし、お通しを持ってきた大将からも「いらっしゃい、うちは初めて?」と声をかけられ、夫はさらに動揺します。「ツーカーの仲」のはずの大将が、夫の顔を覚えていなかったのです。

そんな夫の様子を見た大将は「ああ、もしかして以前、〇〇部長さんと一緒に来られた方ですかね?」と、ようやく思い出したようでした。夫は「そうです……」と答えると、急におとなしくなってしまったのです。

本当の常連

私が「何回来たことあるの?」と聞くと、夫は「……3回くらい」と小さな声で答えます。続けて「いつも誰と?」と尋ねると、返ってきたのは「……部長」の一言。

どうやら毎回、常連の部長に連れてきてもらっていただけのようです。私が「常連なの、部長じゃない?」と指摘すると、夫は何も言い返せず黙り込んでしまいました。

私の前で格好をつけたかったのかもしれませんが、大将の反応で夫の見栄はあっさりバレてしまったのです。普通に「部長に連れていってもらった、おいしい店」と紹介してくれればよかったのにと思いましたが、小さくなっている夫の姿を前に、言い出せませんでした。それ以来、夫が「行きつけ」という言葉を口にすることはなくなりました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:逢坂 ゆな
ライター業をしながら、実は現役の保育士でもある。その実体験を元にしたエピソードをSNS発信すると好評を得て、執筆者としても活躍するように。幼稚園教諭や歯科受付などの、多彩な職業も経験。読者からの共感の声やお悩み相談、体験談が届き、それらも元に執筆中。育児エピソードや義母・夫とのバトルなど、ママ世代から共感を呼ぶリアルな体験記事が人気。

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