これは、知人の駒井さん(仮名)から聞いた話です。駒井さんが家電量販店のサービスカウンターで働いていると、よく見かける男性客が来店。いつもとは違った様子で近づいてくると、すごい勢いでクレームをつけてきたのです。

消えたポイント

私は家電量販店で働いています。ある日サービスカウンターに立っていると、よく買い物に来てくれる常連の男性客が「ポイントがついてない、詐欺だ!」と、すごい勢いでクレームをつけてきました。

男性は、先月大型家電を買ったので、ポイントがかなりたまっているはずなのに、今日買い物をしようとしたら、入っていなかったというのです。

店内に響く怒鳴り声

私はすぐに店長を呼び、男性の会員情報からポイントの利用履歴を調べてもらいます。店長が確認している間も、男性は大きな声で、カウンター越しに私を怒鳴り続けていました。

声は売り場のほうまで響いていたようで、心配したスタッフが様子を見に来ます。買い物中のお客様も足を止め、気づけばカウンターのまわりには人だかりができ始めていたのです。

履歴に残っていた日付

店長が画面に表示された履歴を確認すると、ポイントはすべて正常に加算されており、数日前にまとめて使われていたことがわかりました。

ポイントが使われた日を店長が伝えると、男性は「あ……その日は家内が買い物に来ていた」とつぶやき、一気に青ざめます。さっきまでの勢いはすっかり消え、急におとなしくなった男性は「家内に確認します……」とだけ言うと、人だかりをかき分けて店を出ていってしまったのです。

代わりに届いた謝罪

翌日、菓子折りを持った女性がカウンターを訪ねてきて、深々と頭を下げて謝罪してくれました。女性はあの男性の奥様で、ポイントがついていなかったのではなく、ご自身が買い物で使い切っていたのだそうです。

あれほど大声で私を責めていた男性ですが、謝罪に来たのは奥様でした。勘違いだったとわかったのなら、ご本人からも一言ほしかったというのが正直な気持ちですが、きっと合わせる顔がなかったのでしょう。その後、男性客の姿は一度も見ていません。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:逢坂 ゆな
ライター業をしながら、実は現役の保育士でもある。その実体験を元にしたエピソードをSNS発信すると好評を得て、執筆者としても活躍するように。幼稚園教諭や歯科受付などの、多彩な職業も経験。読者からの共感の声やお悩み相談、体験談が届き、それらも元に執筆中。育児エピソードや義母・夫とのバトルなど、ママ世代から共感を呼ぶリアルな体験記事が人気。

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