同期入社の派遣社員から「どうしたら社員になれると思う?」と相談を受けた私の友人、マミさん(仮名)。はじめは何気なく相談に乗っていたものの、社員になるためと言い、どこに行くにもついてくるようになって……

派遣社員からの相談

私は映像制作会社の正社員として働いています。私より年が2つ上のアキさん(仮名)は入社が同期の派遣社員。以前から「どうしたら社員になれると思う?」と私に相談してくることがありましたが、正直、私自身もどうしたらいいのかよくわかりませんでした。

ところがある日、アキさんがぽつりと一言。「マミちゃんと同じことをしたら、社員になれるのかな~」そのときは冗談だと思い、笑って流しました。

どこに行くにもついてくる

それから何日かたった頃、私たちの部署は席が固定されていないにも関わらず、アキさんが毎日私の隣や向かいに座るようになりました。お昼休憩中も、私が座った近くの席にやってきます。普通に話はするものの、監視されているようで落ち着きません。

さらにそれが何ヶ月も続くと、さすがにつらくなり、私はアキさんから逃げるように、昼食は違うフロアの休憩室で食べることが増えました。

外食先で隣に座ったのは……

ある日、私は久しぶりに外でランチを食べようと、他の部署の同期と私の車で職場から少し離れたお店に行きました。ここならゆっくり食べられる。そう思って店に入り、席についたその数分後。入口から入ってきたのは、なんとアキさんだったのです。

「……え?」あまりに驚いて、目が合ったので思わず、「偶然ですね……」と声をかけました。するとアキさんは悪びれる様子もなく、「偶然じゃないよ」と一言。そして「マミちゃんの車、赤で目立つからさ」というと、店員さんに声をかけ、私たちの隣の席に座ったのです。

ずっと監視されていた

何とも言えない空気が流れる中、「やっとマミちゃんとご飯食べられる。私も明日から2階の休憩室でお昼食べようかな〜」とアキさん。私は固まり、絶句。最近、別のフロアで昼食をとっていたことまでバレていたのです。

それ以来、どこに行くにも「アキさんがついてくるんじゃ……」と気になって仕方がありませんでした。社員になるために、社員の誰かを参考にするのは間違っていないと思います。でも、休憩時間までその行動を追いかける必要があるとは思えません。

それからは、私はできる限りアキさんから距離を置くように過ごしていますが、アキさんを見るたびにあの日の何とも言えない感情が蘇ってくるのです。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:小橋美月
マスコミ業界に16年勤務。業界で培った原稿執筆のスキルを活かし、ライター業へ。さまざまな職種、ライフスタイルの人への取材を通じた、「生きたエピソード」が強み。働く女性の葛藤や子育て、夫婦関係など、実体験に基づいたリアルな物語を届ける。

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