これは、同僚の安藤さん(仮名)から聞いた話です。「施設には入りたくない」という母親の希望を受け、安藤さんは実家へ通って介護を続けてきました。しかし母親を看取り、葬儀を終えたあと、義姉から思いがけない言葉をかけられることになり……
母が望んだ暮らし
私は結婚して実家を出ていましたが、わりと近くに住んでおり、体が不自由になった80代の母の様子をたびたび見に行っていました。1人で暮らすのは難しいのではと考えていた頃、母が「施設には入りたくない。できるだけこの家で暮らしたい」と言ったため、私はその気持ちを尊重すると決めたのです。
それから約5年間、私はほぼ毎日のように実家へ通いました。デイケアのスタッフにも支えてもらいながら、買い物や食事の準備、掃除など、母ができなくなったことを引き受けたのです。
助けてくれた孫の存在
私の娘や息子も、時間があるときには実家へ足を運んでくれました。祖母の話し相手になったり、重いものを運んだり、私の手が回らないところを埋めてくれます。母は孫たちが来るのをいつも楽しみにしているのが、そばで見ていてわかります。
一方、兄も近くに住んでいましたが、仕事を理由に介護にはほとんど関わらず、義姉も積極的に手伝うことはありませんでした。そんな生活が5年ほど続いたのち、母は住み慣れた実家で最期を迎えたのです。
