夢の中で祖父が告げた言葉
夢の中で私は、子どものころに住んでいた家の縁側にいました。庭を見ると、懐かしい作業着姿の祖父が立っています。「どうしたらいいの?」と聞くと、祖父は険しい顔で契約書を指さしました。そして「その判子は押すな。裏を見ろ」と、はっきり言ったのです。
飛び起きて時計を見ると午前3時33分。翌朝、気になって契約書と添付資料を最初から確認すると、後ろのほうのページに、こちらが多額の損害を負う可能性のある条項を見つけました。
祖父が残してくれたもの
すぐに法務担当へ相談すると、ほかにも複数の問題が判明し、契約は中止になりました。後日、その取引先が別の会社とも契約トラブルを起こしていたと知り、背筋が冷たくなりました。
私は祖父の墓前で「助けてくれてありがとう」と報告しました。その瞬間、風もないのに供えた花だけが、かすかに揺れたのです。
あれが本当に祖父からの警告だったのか、それとも私自身が感じていた違和感が夢になったのかはわかりません。ただ、大切な人が残した言葉は、その人が亡くなったあとも心の奥に生き続け、ときに危険を知らせてくれるのかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:佐藤 栄祠
大手メーカーの営業を経て、ライターに転身。会社員時代に培った経験と、組織の一員であるからこその“喜怒哀楽”をリアルに伝え、「誰かを癒したい」との思いが執筆の原動力。スピリチュアル関連情報にも精通しており、それらに傾倒する人の思いを描いたエピソードも好評。
