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私の知人・美貴さん(仮名)は、毎年お盆になると息子を連れて祖母宅へ帰省していました。しかし物心がついた頃から、息子がなぜか「泊まりたくない」と嫌がるように。その理由を尋ねると……?

古い写真を見せると……

祖母はページをめくりながら、一枚の古い写真を指さしました。「……もしかして、この人?」祖母が息子に写真を見せると、息子は迷う様子もなく、すぐに「この人!」と答えます。私は驚いて写真を見つめました。そこに写っていたのは、祖母がまだ幼かった頃、戦地で亡くなったという祖母の兄でした。

もちろん、息子はその人に会ったことなどありません。それどころか、これまで写真を見せたこともありませんでした。祖母は写真をじっと見つめると、「見守ってくれてるのかねぇ……」とつぶやき、静かに手を合わせていました。

翌年のお盆には

そして翌年のお盆。私たちはいつものように親族で祖母の家に集まり、そのまま泊まることになりました。これまでのことがあったため、私は息子がまた夢を見るのではないかと少し気になっていました。

ところが翌朝、起きてきた息子はいつもと変わらない様子。そして、「今年は兵隊さん来なかったよ」と笑ったのです。祖母が兄の存在に気づいたことで、何かが伝わったのでしょうか。それ以来、息子が同じ夢を見ることはありませんでした。

息子の夢に現れていたのは、きっと本当に祖母のお兄さんだったのだろうと思っています。終戦から長い年月が経っても、家族への思いはどこかで繋がっているのかもしれません。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

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