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これは、従妹の美奈代さん(仮名)から聞いた話です。終戦の日になると、祖父が決して近づかなかった裏山。美奈代さんが32歳になった夏、そこで今も忘れられない出来事が起こりました。

祖父が毎年繰り返した言葉

子どもの頃、夏休みは祖父母の家で過ごしていました。裏山は虫取りや探検にぴったりの遊び場でしたが、8月15日だけは違います。「今日は裏山へ行くな。絶対だ」普段は穏やかな祖父が、その日だけは厳しい顔で言うのです。

理由を聞いても「その日だけは近づくものじゃない」と答えるだけ。母も詳しい事情は知らないようでしたが、家族は祖父との約束を守っていました。

誰もいない山道から聞こえた足音

私が32歳になった夏、久しぶりに8月15日を祖父母の家で過ごしました。92歳になった祖父は朝から落ち着かない様子で、仏壇の前に長く座っていました。

夕方、車に置き忘れた荷物を取りに外へ出た私は、裏山へ続く道の近くまで歩きました。そのときです。ザッ、ザッ、ザッ……山道の奥から、大勢の人が同じ歩調で進んでくるような音が聞こえました。しかし、目を凝らしても人影はありません。

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