悪化する雰囲気
その言葉を聞いていた息子が、ぽつりと「パパのその言葉のせいで楽しくなくなった」とつぶやきました。続けて「今まで楽しかったのに」と。車内の空気が一瞬で変わります。
すると義妹もすかさず「確かにトイレ休憩したのは〇〇(私)さんだけど、アンタ(夫)のほうがタバコで長い時間休憩してたじゃん」と加勢。さらに「そんなに運転が大変なら私がやるわ」と言い切り、次のサービスエリアで義妹がハンドルを握ることになりました。
帰路へ
私は夫に向かって「私のせいで渋滞になってしまってごめんね」と呟き、義妹に向かって「地元の道だから抜け道を知ってるの。私が案内してもいいかな?」と提案。義妹は「〇〇ちゃんよろしく!」と満面の笑み。今まで「さん」呼びだったのが「ちゃん」呼びに変わっていました。
少し緊張しながら運転席に座る義妹の横の助手席に座ります。義妹はあげあげのギャルソングをかけながら運転。一般道へ降りると、思った以上にスムーズに進み、結果的に高速道路よりも大分早く帰宅することができました。
息子も義妹も「ママすごーい!」「〇〇ちゃん最高!」と目を輝かせ、夫の嫌味で冷え切った私の心が温かくなっていったのです。
息子の絵日記
帰宅の際、義妹は夫に向かって「二度と〇〇ちゃんのせいにすんじゃねーぞ」と一喝。夫は無言でうなずきました。
後日、夏休みの絵日記にはこのドライブの様子を描いた息子。運転席には義妹、助手席には私、後部座席には息子自身。そしてその横に小さく描かれた夫。絵の中の配置が、あの日の空気をそのまま物語っており、思わず吹き出さずにはいられませんでした。今では苦手だった義妹と息子と私の三人で、ドライブへ行くほどの仲になったのです。
【体験者:30代・パート勤務、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。
