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届いた一枚の写真

その日の夜、夫と同じ会社に勤める知人女性から突然連絡が入りました。「ご主人、駅前の居酒屋にいるよ。接待じゃなくて、仲のいい同僚だけで飲んでいるみたい」。送られてきた写真には、ジョッキを高く掲げて笑う夫の姿がはっきり写っていました。

さらに知人女性は、夫がその場で「うちは妻が全部やってくれるから楽だよ。少しくらい遅くなっても文句を言わせない」と話していたことまで教えてくれたのです。

その言葉を聞いた瞬間、怒りよりも情けなさが込み上げました。知人女性は夫に対して、「明子さんを家政婦みたいに扱うのはおかしいよ」と、その場ではっきり注意してくれたそうです。

言い訳する夫

翌朝、夫は何事もなかったように帰宅しました。「接待は疲れるな。昼まで寝るから起こすなよ」私は言い返さず、知人女性から送られてきた写真を夫の前へ置き、「ずいぶん楽しそうな接待だったね」と静かに伝えました。

夫は一瞬で顔色を変え、「これは接待の後に少し飲み直しただけだ」と苦しい言い訳を始めました。しかし私は、知人女性から聞いた発言までそのまま伝えました。すると夫は何も言えなくなり、うつむいたまま黙り込んだのです。

私はさらに、その月に家計から使われた飲み会代を一覧にして見せ、「仕事に必要なお金なら会社から出るよね。家計から使った分は、お小遣いから返して」と伝えました。そして、「家事を全部やってもらえて楽なんでしょう? 今日からあなたの洗濯と食事は自分でお願いね」と告げたのです。

「仕事」を言い訳にしない約束

最初は強気だった夫も、自分の洗濯物が山積みになり、食事の支度にも困る生活が数日続くと、さすがに音を上げました。「悪かった。家のことを任せきりにしていた」とようやく素直に謝罪し、その後は飲み会を月2回までに減らし、帰宅時間や費用も事前に伝える約束をしました。飲み会へ行く日も家事を済ませ、「遅くなってごめん」と連絡をくれるようになりました。

仕事で付き合いが必要な場面はあると思います。でも、「仕事」という言葉を理由に家族へウソをつき、負担を押しつけるのは違います。あの日の一枚の写真は、夫の言い訳を終わらせただけではなく、夫婦がお互いを思いやる大切さを改めて考えるきっかけになったのです。

【体験者:30代・主婦、回答時期:2026年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐藤 栄祠
大手メーカーの営業を経て、ライターに転身。会社員時代に培った経験と、組織の一員であるからこその“喜怒哀楽”をリアルに伝え、「誰かを癒したい」との思いが執筆の原動力。スピリチュアル関連情報にも精通しており、それらに傾倒する人の思いを描いたエピソードも好評。

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