今回は、義妹の由美さん(仮名)から聞いた実体験をご紹介します。母親の介護が始まったことで、家族の本音が少しずつ見えてきたそうです。介護をめぐる負担や兄夫婦との温度差、そして後になって明らかになった思いが、今でも強く印象に残っていると話してくれました。
突然始まった母の介護
母が自宅で転倒し、足を骨折しました。退院はできたものの、以前のように1人で生活するのは難しくなり、買い物や掃除、通院の付き添いが必要になったのです。
私は車で30分ほど離れた場所に住んでいましたが、週に何度も実家へ通いました。家事や子育てをこなしながらの介護は想像以上に大変で、気が付けば疲れが抜けない毎日になっていました。
そこで、兄が実家の近くに住んでいたため、せめて週に1回だけでも様子を見てもらえないかと頼みました。
突き放された兄夫婦の言葉
ところが返ってきたのは、思いもよらない言葉でした。兄嫁は「実の娘がいるのに、どうして私たちがやるの? 介護は娘の役目でしょ」と言い、兄も「由美のほうが母さんは気を使わなくて済むから」と兄嫁に同調したのです。
私が「私にも家庭があるし、1人では続けられない」と伝えても、兄嫁は「専業主婦なら時間くらい作れるでしょ」と言い切りました。
私はケアマネジャーに相談し、介護サービスを手配するとともに、通院の日程や立て替えた費用、兄夫婦に協力を断られた日も手帳へ記録するようになりました。
