私が双子を妊娠しながら働いていた頃の話です。同僚にいつ頃生まれるのか尋ねられ、予定帝王切開することを話すと、「誕生日が決まってて可哀想」と予想だにしないひと言。戸惑いつつも笑って流す私でしたが、その場にいた別の同僚は……?
その場にいた同僚のひと言で……
すると、そのやり取りを聞いていた同僚の岡野さん(仮名)が笑いながら口を挟みました。「私は普通分娩で生まれたらしいけど、自分で誕生日選んだ記憶はないなぁ(笑)」
みんながつい納得してしまうそのひと言に、場は笑いに包まれます。吉田さんも「あ、たしかにそうですね……」と少し気まずそうに苦笑いしていました。さらに岡野さんは、「一番大事なのは、母子ともに無事に出産できることだからね」と、さらりと続けてくれたのです。
忘れられない自然なフォロー
岡野さんのひと言で、その場の空気はすっかり和らぎました。私自身も、戸惑っていた気持ちが自然と軽くなり、肩の力が抜けたような気がしました。
出産にはさまざまな方法がありますが、その背景にはそれぞれの事情があります。あの日は岡野さんが自然にフォローしてくれたおかげで、モヤモヤした気持ちを引きずらずに済みました。今でもふと思い出してはあたたかい気持ちになる、忘れられない出来事です。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2021年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。
