そこで私は、「そうだね! 簡単だし、今日はお願いしてもいい?」「私はその間に他の家事をしておくね〜」と笑顔でお願いしました。夫も「いいよ〜!」と軽く引き受けてくれたのです。
キッチンに立った夫
ところが、いざキッチンへ立つと夫の様子は一変。グツグツとお湯が沸く前から「あっつい!」「耐えられない〜!」と大騒ぎです。麺を茹でている間も何度も汗をぬぐいながら、「こんなに暑いと思わなかった……」とつぶやいていました。
ようやく食卓にそうめんが並び、私が「冷たくておいしいね〜」と食べ始めた頃になっても、夫は「まだ暑い……」「全然汗がひかない……」と、しばらくうちわであおぎ続けています。その姿がおかしくて、私は思わず笑ってしまいました。
夫にも大変さが伝わって
私が「夏の料理って、短時間でも大変でしょ〜?」と声をかけると、夫は「うん……いつもありがとう」と頷きました。それ以来、夫は「そうめんなら簡単だよね」と気軽に言うことはなくなりました。実際にキッチンへ立ったことで、真夏の料理の大変さを実感したようです。
何気ない昼食作りをきっかけに、私の日頃の苦労を知ってもらえたことが、ひそかに嬉しく感じた出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。
