産休に入るまで、電車で通勤していた私の友人・真友子さん(仮名)。できるだけ座れるように、早めに駅に行って並んだりと工夫していました。ある朝も、いつもと同じように優先席に座ろうとすると、年配の女性客に押しのけられて……!?
男性がかけてくれた言葉
その言葉を聞いた男性は、落ち着いた口調でこう続けました。「……座りたい気持ちは分かります。でも、わざとぶつかっていい理由にはなりませんよ」さらに、「妊婦さんじゃなくても、人にぶつかるのは危ないことですよ」と、きっぱり伝えたのです。
女性は苦笑いを浮かべながら口をつぐみ、その後は何も言い返しませんでした。次の駅に着くと、気まずそうに席を立ち、そのままそそくさと電車を降りて行きました。
温かい気遣いに救われた
空いた席を見た男性は、「どうぞ」と声をかけてくれました。私は「ありがとうございます」と頭を下げ、ようやく座ることができたのです。お腹が大きくなるにつれて、不安を感じる場面も増えていた時期。男性の落ち着いた対応とさりげない気遣いが本当にありがたく、張りつめていた気持ちも落ち着いたのを覚えています。
あの日は少し怖い思いもしましたが、その一方で、困っている人に自然と手を差し伸べてくれる人もいるのだと、温かい気持ちになった忘れられない出来事です。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。
