令和のコーチ
そこへなんと、野球姿の長男が帰宅してきました。私は思わず幻覚かと思いましたが、「コーチにやる気ないなら帰れって言われたから帰ってきた」とぶっきらぼうに告げる長男。そして彼の持っていた合鍵で玄関を開けると、次男はテレビに夢中で無事。九死に一生を得た瞬間でした。
スマホを確認すると、コーチから複数の着信がありました。帰宅した長男の安否を確認するための電話だったのです。厳しい言葉を投げかける一方で、子どもを見守る姿勢は令和的。コーチの「帰れ」という厳しい一言が私と次男を救ってくれたのでした。
時代錯誤に思える呼びかけも、時に心に響くものです。厳しい言葉は若者を傷つけることもあれば、逆に命を救う場面さえあります。大切なのは、厳しさだけでも優しさだけでもなく、その塩梅を学ぶこと。声をかける側も、受け止める側も、その過程で人は成長していくのかもしれません。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:桜井ひなの
大学卒業後、金融機関に勤務した後は、結婚を機にアメリカに移住。ベビーシッター、ペットシッター、日本語講師、ワックス脱毛サロンなど主に接客領域で多用な仕事を経験。現地での出産・育児を経て現在は三児の母として育児に奮闘しながら、執筆活動を行う。海外での仕事、出産、育児の体験。様々な文化・価値観が交錯する米国での経験を糧に、今を生きる女性へのアドバイスとなる記事を執筆中。日本でもサロンに勤務しており、日々接客する中で情報リサーチ中。
