微笑ましく見ていましたが、次の瞬間、手が止まりました。「早く起きて! もう保育園遅れるよ!」「靴履いて! ママ待ってるんだから!」なんと娘がお人形に向かって話していたのです。しかも、その言い方や声のトーンまで、普段の私そっくり。
さらに、「もう! 何回言ったら分かるの?」と、お人形に向かって少し怒った顔までしていました。
娘のまねで気付いた私の姿
その瞬間、私は思わず笑ってしまったものの、同時に少しドキッとしました。「え……私、こんな感じで毎日言っていたんだ」
自分では必死に時間を管理していただけのつもりでしたが、娘の遊びの中には、毎日の自分の姿がそのまま映っていたのでした。
子どもは親の鏡なのかもしれない
それ以来、私は「早くして」と言いそうになった時、1度だけ言葉を置き換えるよう意識するようになりました。「急いで!」ではなく「一緒に準備しようか」、「早く寝て!」ではなく「どっちの絵本読む?」と声をかけるようにしています。
今では娘がお人形遊びをしていると、少し離れた場所で耳を傾け「また私の真似してないかな」と、こっそり反省することもあります。子どもは親が思っている以上に、毎日の言葉や行動をよく見ているのだと痛感した出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:中條みき
医療事務として7年間勤務。患者さんに日々向き合う中で、今度は言葉で人々を元気づけたいと出版社に転職。悩んでいた時に、ある記事に救われたことをきっかけに、「誰かの心に響く文章を書きたい」とライターの道へ進む。専門分野は、インタビューや旅、食、ファッション。
