今回は、知人の舞子さん(仮名)から聞いた出来事をご紹介します。派遣社員という立場だけで意見を聞き入れてもらえず、大切な展示会を目前に職場が混乱。けれど、その出来事をきっかけに、肩書きだけでは見えない経験や知識の大切さを、多くの人が改めて実感することになりました。
「派遣だから口を出さないで」と言われた日
私はイベント会社で派遣社員として働いていました。担当していたのは展示会の準備でしたが、会議には参加できず、任されるのは設営や資材の確認などの作業ばかりでした。ある日、展示ブースの図面と資材を見比べていると、「この数量では足りないかもしれない」と違和感を覚えたのです。
そこで担当の女性正社員・Mさんへ伝えると、返ってきたのは思いもよらない言葉でした。「派遣だから口を出さないで。言われたことだけやってくれればいいから」その言葉を聞いた私は、それ以上何も言えませんでした。自分の勘違いかもしれないと思う一方で、不安だけは消えませんでした。
予感は現実に
展示会まであと2日というタイミングで、その不安は現実になります。必要な資材が足りないことが判明したのです。社内は一気に慌ただしくなり、急いで追加発注を依頼しましたが、業者からは「今からでは間に合いません」と断られてしまいました。
担当していたMさんも顔色を変え、「あのとき確認しておけば……」とつぶやいていました。誰も責める余裕はなく、会場準備は完全に行き詰まってしまったのです。
