ただし、ただ泣き寝入りしたわけではありません。私は自分の動いた「時間・ガソリン代」や、かかったあらゆる介護実費の領収書を、全てノートに記録し、証拠として残しておいたのです。
施設入所後の親族会議
その後、父親は無事に手厚い介護施設に入所することができました。そして数週間後、今後の実家の片付け方針を決めるために、親戚たちが集まる親族会議が開かれたのです。
兄は何もしていないくせに「いや〜、無事に施設に入れて一安心だな! お前もよくやった!(笑)」と、親戚たちの前でまたしてもドヤ顔で現れました。
実家を手に入れる算段ばかりしている兄の前に、私は笑顔のまま、準備していた書類を机の上にドン! と突きつけました。
「お兄ちゃん、これ、これまでの私の介護労働に対する正当な対価と、立替費用の総額350万円の『請求書』だから」
弁護士の手続きを前に顔面蒼白の兄
「長男として実家を継ぐなら、当然この介護費用の義務も長男が全額背負うのがマナーだよね?」笑顔で冷徹に言い放った私に、兄は「え……?」と声を漏らしたままフリーズしました。
さらに私が「もし支払いを拒否するなら、すでに弁護士を通じて実家の相続権を完全に剥奪する法的続きを進めてあるから」とトドメを刺すと、兄は一瞬で顔面蒼白になりました。
自分の甘えが一切通用しなくなった兄の情けない姿を見て、事情を知っていた親戚一同は大爆笑。実家の権利をチラつかせて兄から費用をきっちり満額回収することに成功し、心底すっきりしました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:北山 奈緒
企業で経理・総務として勤務経験を持つ。育休をきっかけに、女性のワークライフバランスに問題意識を持ち、ライター活動を開始。育児、ライフスタイル、スポーツなどが得意テーマ。
