いつも穏やかな義母の言葉
翌日、義両親が来訪。義母から体調を尋ねられ、つわりがきついことを言うと、驚きながら夫に対して「え!? 沙耶さん元気って言ってたじゃない!」と言いました。
すると夫は「妊娠くらいで大げさなんだよ。昨日も半べそかきながら掃除してさ。先のこと考えて行動しろって話」と鼻で笑ったのです。そこで義母の目つきが変わりました。
「いい加減にしなさい。掃除まで沙也さんにさせたの? この時期に無理したら取り返しのつかないことになるかもしれないのに。先のことを考えてないのはあんたでしょう! 」日頃穏やかな義母だけに、私は呆気にとられてしまいました。
返す言葉がなく、気まずそうにうつむく夫。さらに義母は「このバカ息子とちょっと出かけてくるから、ゆっくりしてて。本当にごめんなさい」と言い、夫の首根っこを掴むようにして家を出ていきました。
平謝りの夫
夕方、戻ってきた夫は急に平謝り。「ごめん。ちゃんと俺も家事とかやるから」夫によると、あの後、妊娠中に妻をぞんざいに扱い、その後離婚した知り合いの話を義母から嫌というほど聞かされたそうです。離婚など全く頭になかった夫は急に焦ったそう。
それからというもの、夫は私を労わってくれ、少しずつ家事もしてくれるようになりました。義母のおかげで、夫は何とか父親になる自覚を持ち始めてくれたようです。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2015年11月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:小橋美月
マスコミ業界に16年勤務。業界で培った原稿執筆のスキルを活かし、ライター業へ。さまざまな職種、ライフスタイルの人への取材を通じた、「生きたエピソード」が強み。働く女性の葛藤や子育て、夫婦関係など、実体験に基づいたリアルな物語を届ける。
