まさかの返り討ち
その時、「私も撮りますね。『店員さんを動画で晒そうとしてるお客さん』ってタイトルにしようかな」と声が聞こえたのです。声の主は、近くで食事をしていた20代くらいの女性客で、彼女のスマホは男性客へ向けられていました。
「は? 撮るなよ!」と慌てる男性客。女性は落ち着いた口調で「店員さんを撮るのはよくて、自分が撮られるのは嫌なんですね」と返します。
店内の視線が一斉に男性へ向くと、男性は「……もういい」とだけつぶやき、足早に店を出て行きました。
女性の優しい気遣い
私は女性へ駆け寄り、お礼を伝えました。すると女性は笑いながらスマホの画面を見せ、「本当は撮ってません。晒したかったわけじゃなくて、自分がされたら嫌だって気付いてほしかっただけです」と話してくれたのです。
画面を見ると、カメラは起動していませんでした。相手を傷つけるためではなく、気付いてもらうための行動だったことを知り、その心遣いに、私は改めて女性へお礼を伝えました。あの日の女性客の思いやりある行動は、今でも心に残っています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
EPライター:逢坂 ゆな
ライター業をしながら、実は現役の保育士でもある。その実体験を元にしたエピソードをSNS発信すると好評を得て、執筆者としても活躍するように。幼稚園教諭や歯科受付などの、多彩な職業も経験。読者からの共感の声やお悩み相談、体験談が届き、それらも元に執筆中。育児エピソードや義母・夫とのバトルなど、ママ世代から共感を呼ぶリアルな体験記事が人気。
